③俺は看守か?

俺は看守か?

ようやく運転免許を取得することが出来ましたが、さあ、今度は自分の配属先が決められます。当時、私の配属先はいわき市の予定でしたが、免許を取り立てではいわき市では運転が危なかろうと、サービス係長の配慮で郡山出張所に電撃配属となりました。
しかし、既に郡山出張所では、同期のI君が稼働していました。I君は同じ中途採用組の一人で1歳上で研修成績はトップクラスの優秀な人材です。因みに私はびりから2番目のブービー賞。
配属先の郡山出張所 ではN主任がサービスチームを指揮しています。彼は優秀なI君をとても可愛がっていたのでした。
それが、係長の鶴の一声で不本意にも交代で使えねぇブービー野郎がやってくる訳です。
それはどういうことかお分かりですね。
今では家族の誰もが信用しませんが、当時、私はとても人見知りで無口でシャイな性格だったのです。だから仕事で分からないことがあっても先輩に訊くことも出来ずに孤立してスキルの成長もありませんでした。当然、疎まれますし、仕事で落ち度があると主任からは、まず、みぞおちにパンチが飛んできます。続くバリエーションは定規でケツバット。次は嫌がらせで19時過ぎに「今からお客に行ってこい」。極めつけは「お前なんか辞めちまえ」が一連のセットとなっていました。この時代にパワハラなどという言葉など有るわけがございません。私はこの様に日々隅へ隅へと追い込まれましたが、窮鼠猫を噛むにはあまりにも根性不足です。成長できない自分が一番悪いのは分かっています。だけどどうしても自分の壁を超えることが出来ない。ついには自己嫌悪に陥りポキっと心が折れた自分が居ました。もう辞めちまおうとも思いましたが、最初の会社を辞めた時と同じだよというもう一人の自分もいます。この様に悩み続ける日々が人事異動の季節まで続いたのです。そう!人事異動の季節までです♪

さあ、やっと人事異動の季節が到来です。いやーFXの人事の神様よ有難う(^^♪
あのN主任はあることがきっかけで宮城の子会社に出向になるのでした。ヤッターいやーーさようならN主任!お世話様!自分のスキル不足などどこ吹く風でございます。「ここへはもう二度と戻って来るなよ!わかったなぁ!」まるで看守が出所当日の囚人にかけるセリフさながらの上から目線。気分爽快!さよなら満塁ホームラン!はしゃぎすぎだぞ俺!

まあ、当時を振り返れば自分は自己中心で愚かな部分もありましたね。N主任は厳しさで自分を成長させてくれようとしていたかもしれません。40年前の時代ですから。本当にN主任には申し訳ないけれどこの様に人事異動に救われた私は、この時は少しだけ寿命が延びた思いでした。

しかし、奇遇にもN主任とはこの15年後に有るところで再会することになるのですがこの時は知る由もありませんでした。

私の翻弄される人生はまだまだ続きます。

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