㉛ミーハーなんで。夢の時間
ミーハーなんで。夢の時間
①40年前、郡山で仕事をしていた時の話。仕事で訪れた某ホテルのエレベータに乗った時、大柄な外人が一人だけ入ってきた。とにかくでかい。だが、どこかで見たことが有るような人物だ。私は、恐る恐る彼に視線を合わせてみると、なんと、彼は当時ナンバーワンレスラーとして君臨していたスタン・ハンセンだった。こんな密室に彼と二人だけなんてこんな幸せは無いと感動していたところ、エレベーターは途中で止まって、また外人が入ってきた。これまた山の様にでかい。再び恐る恐る確認すると、間違いない!マイ・アイドルレスラーのブルーザ・ブロディではないか!当時、二人はハンセン・ブロデイ名義でタッグを組んで大暴れしており、プロレス史上最強と称されていたのだ。
だが、この時の印象は二人ともとてももの静かでとても知的だった。二人はこれまた小声でハローと交わしていた。レスラーって普段はこんな感じなんだなぁと思った。
今なら、ハンセンのウエスタン・ラリアートを食らった後にブロディのジャンピング・ニードロップで止めを刺されてもいい。これはこれで幸せかもしれない。とそんな妄想に耽っている間に二人はさっさと降りてしまい、あっという間に夢の時間は終わってしまった。妄想なんかしないでサインをもらえば良かった。
残念ながらその数年後、ブロディは仲間のレスラーに刺されて死んじゃったけど。