NO.53 悪ガキの顛末
本当に子供の頃の話。
昭和40年代に遡ります。
私も、いっぱしの悪ガキでした。ある日、近所の年下の子供と些細な事で喧嘩をしてしまいました。
確か、自分より3歳くらい年下の子だったと思います。
何だかんだで喧嘩に負けた彼が家に泣きかえった後、早速、その晩に報復がやってきました。
その晩、家に乗り込んで来たのはその子の祖母で、私を取り上げた近所の産婆です。
びっくりして対応に出た母には産婆から容赦のない罵詈雑言が浴びせられました。
ひたすら謝ることしか出来ないうえに、言い返す言葉も反論も出来ない母が悔し涙を流していたのは今も忘れません。
当然の事、その夜は母にはこっぴどく叱られましたね。
しかし、話はこれで終わりません。
今の人は、当時の子供の遊びの道具だった2B弾等当然ご存じないでしょうね。もはや昭和の遺産です。
これは爆竹の一種で、火をつけた後の10秒後に爆発するという優れもので、当時は駄菓子屋さんにも花火と一緒に普通に売っていました。
その時、めらめらと産婆に対する報復心に燃えた私はこれに目を付けました。
私はこの2B弾に石を輪ゴムで括り付けて、投げやすく工夫を施した後、石垣の上にある産婆の家の庭に2発投げ込みました。
すると、予測通り、ぱーーんという爆発音にびっくりした産婆が庭に出てきました。
誰の仕業だと言わんばかりに目をむいた産婆はくるくると周りを見渡していました。
その一部始終を物陰から見て私はザマーミロと、報復達成にほくそ笑んだものです。
しかし、その晩、また、産婆がやってきました。
産婆が手に持っていたのは2発の2B弾の残骸。と、石
その晩、私は、さらに厳しく母に叱られたのは言うまでもありません。