ジャミラが来たぞー

50年も前の記憶。

「うぎゃーん 嫌だー」「いやだー 帰るー」

ずうっと子供たちの悲鳴が鳴りやまない。

ここは二本松市の本町商店街。

何故子供たちは泣いているのか?それはジャミラが来たから。

商店街のイベントで怪獣ジャミラが来たのである。

イベントはジャミラと一緒に写真を撮ろうという企画で、3歳児ぐらいまでの子が

ジャミラに抱っこされて記念写真を撮るというもの。

しかし、しかーしである。怪獣の顔が殊の外怖すぎるのである。

だから、子供たちは泣き叫んでいるのである。

それでも、無理やり怪獣に抱っこさせようと試みる親たち。

ジャミラをお相撲さんと勘違いしている非情な親たち。

そんな風に当時、小学生だった私の目には映りました。

何故、ウルトラマンが来なかった?と私も含め、子供たちの誰もが思ったに違いない。

しかし、それは「予算」と言う大人の事情で仕方がないのだが、

なにしろ、ジャミラは映像で見るよりも本当にリアルで、私にも少しだけトラウマが残っているのです。

赤いお口がとても怖かった。

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