㊷等級審査
私の所属していたFXは1等級が一番下で仕事を積むに従い好評価を受ければ次の等級に昇格する仕組みでした。
勿論、年功序列の部分も有りますから、3等級までは普通に仕事をしていれば誰でも到達できる仕組みとなっていますが、それ以上出世できない人もいるわけで、45歳で3等級と言う人も中には存在するわけです。
私の場合は正論武装と言う性格もあり、チームの人間には厳しくものを言うタイプでした。これは下からは恨まれる可能性もありますが、上からは評価されるという側面もあったようですし、生保システムプロジェクトの成功が評価につながったのと、当時、私の所属する課は、社内の注目度も高かったので私には27歳で5等級審査の資格が回ってきました。
因みに4等級と5等級の差は大きなものが有り、5等級になればチーフという資格が与えられ、手当としてボーナスも年間で60万円位プラスになるのです。
ただ、簡単には成れません。まず、自分がこれだけ会社に貢献したという改善事例をA3用紙1枚に簡潔にまとめなければなりません。その能力が評価の対象になります。私の場合は生保システムとの関りが有ったのでこれを事例としてまとめました。
次に面接が有りますが、この改善事例を丸暗記して一度も用紙を見ずに面接官3人に説明をするとともに質問にも的確に答えられるかと言う能力も評価の対象になります。
ですから、折角審査資格が回って来ても失敗して落とされる人もいるわけです。そうなったら、当分次のチャンスが回って来ない非情なものなのです。
面接は全国の事業所から対象者が本社に集められ対象者3人と面接官3人が対面で行われます。印象深かったのは私の隣にいた45歳のリペアセンター所属の社員でしたね。彼は事例発表もたどたどしく、面接官からはかなり厳しい質問を受けていました。私の場合は事前に準備していた想定内の質問ばかりでしたので、無事に面接を終えることが出来ました。
お陰様で、数日後審査合格の通知をいただくことが出来ました。
私は、尊敬するI係長の教え通り、「毒にも薬にもなる奴」を目指していましたので、その行いが今回の評価につながったと確信していました。
どの会社もそうでしょうけれど、後輩には面倒見が良くて味方となり、事なかれ主義を通す人間はいると思いますが、そんな奴はまず出世などしません。皆どこかへ飛ばされます。
逆に、私は、ギラギラした目つきで出世を望む人間の方が分かり易いし応援したくなりますね。
サラリーマンならそうなるべきではないですか?
「日本男児たるもの、せめて一度位は野望を持て!」というのは私の持論です。