㊲やっと田舎に帰れる その四

裏切りと後悔

人を祝福することは賛成ですが人に祝福されるのは大変苦手。それが私の性格。だから、私の送別会の開催を頑なに固辞したのもその性格故です。4月や10月になれば異動の時期だから送別会で送られるのは数人いるはずです。しかし、今回はその時期ではなく、私の個人的な異動なので、送別会の主役は自分ひとりです。まして、今までは良かれと思って同僚や後輩にはズケズケと物申すタイプだったから本当は嫌われているに違いないという思いもあって、送別会などは絶対に嫌だったのです。何度か上司からも数回送別会の打診が有りましたが、頑固な自分は断り続けました。

そんなこんなで数日が経ち、いよいよ課を去る日がやってきました。結局送別会は行わず、夕方、チームだけのささやかな挨拶会を後輩が開いてくれて、私は東京を去りました。

今の気持ちを正直に言えば当時の私は本当に世間知らずで正真正銘の愚か者だったったのだ思います。送別会は送られると同時にお世話になった方たちにお礼を述べる場でもあると言う事を全く認識していませんでした。ですから、非常にお世話になったI係長に対してもお礼を述べる事もなく、私は逃げる様に東京を離れ、福島に戻ってしまったのです。

何て恩知らずで厚顔無恥な所業なのでしょうか?自分の人間性が本当に嫌になります。

あれから30年も経ちますが、その後悔の思いがずっと今まで引きずっているのも苦しくて意を決して一昨年にI係長に出した年賀状の返事も返って来ることはありません。

後悔先に立たず。ですね。

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