㉒保険証券作成システム
保険証券作成システム
30年前当時私は主にワークステーションのカスタマーエンジニアをしておりましたが、その当時、社で生保関係のシステムに乗り出すという計画が有り、そのプロジェクトが発表され、幸か不幸か私はそのメンバーに選ばれてしまいました。これは全社を挙げてのプロジェクトで、メンバーは開発部、SE部、テクニカルサービス部、私の所属するOSサービス部そしてT営業部です。既に某生保会社から受注を受けているという我々にとっては大きなプレッシャーを抱えざるを得ない大変なプロジェクトでした。OSサービス部のメンバーは私と、大阪からこの為に異動してきたMさんとテクニカルサービス部のTさんです。私たちは納品後のフィールドサポートと全国のエンジニアの育成というミッションが有ったので、まず、開発やサポートに向けての知識を学ぶところから始まりました。つまり、今までの様に部品を交換するだけではなく何故その部品が動作するのかの原理を学ぶことから始めるのです。その為、私たちは埼玉県にあるI工場の寮で寝泊まりしながら部の開発者から図面を基にした電子デバイスの動作原理のレクチャーを受ける日々を送ることになったのです。
工場の生活にもやっと慣れてきた頃、気が付けば私たちは1年と半年間という長期の研修をやっと終えようとしていました。一切フィールドに出ることなくこの様な缶詰生活が1年半続いたのです。フィールドに出てなんぼのカスタマーエンジニアが全くこのような形態で給料をいただくのは何か申し訳ない気もしましたが、逆に成功させなければならないという大きなプレッシャーは私以外でもこのプロジェクトに携わった多くのメンバーが抱えていたことだと思います。
少し話はそれますが、今だから話せるのは当時一連の設置作業が終わったらそのまま開発に来ないかというお誘いが有りましたが、やはり、全国展開の責任や自分はフィールドに出ていた方が性に合うという理由でやんわりお断りしたという経緯もありました。でも、このようなお誘いは非常に有難いことですし、名誉にも思いました。
さあ、やっと長い長い研修が終わったと思ったら私たちは今度は、新宿に場を移し、テクニカルサービス部に籍を置きながら全国展開した場合に向けてのエンジニアさん用のマニュアルの制作作業にとりかかるのでした。
この様に私たちは近く某生保会社に納品されるFX生保システムの設置に向けて着々と準備を進めていました。