⑧Song of Seven
知る人ぞ知るというかプログレファンなら誰でも知っているYESのボーカルでバンドの中心人物。サザンで言えば桑田みたいな存在ですね。これはアンダーソンが1980年にリリースした2ndソロ・アルバムで、娘のデボラ・アンダーソンの為に作られた作品です。アンダーソンと言えばYES同様、自身の1stソロでも観念的で難解な世界を詩で表現するのがお決まりの路線です。しかし、今回はイアン・ベヤンソンやクレム・クレムソンのギター陣、ドラムにはサイモン・フィリップスという腕利きのミュージシャンを導入し、曲調は割とポップな感じに仕上がっています。とはいえ、トリの SONG OF SEVENは約12分の感動巨編になっており、こちらの詩はいつも通り観念的な路線になっています。私の様な凡人には何を言っているのか理解に苦しむまことに難解な詩ですが、それとは対極側にあるベヤンソンのハートフルなギターがそのアンダーソンワールドの輝きに色を添えるという最高の仕上がりになっているのも興味深いですね。エンディングは娘とのデュエットで彼の親ばかぶりも披露しています。
しかし、「愚か者め、祝福してやる」なんて発想は私には浮かびません。