➄やっちまった!本体から煙

やっちまった !本体から煙

誰しもが社会人になってから一度や二度や三度は苦い経験をするものと思います。私の場合も新人のころ、顧客先でありました。夕方、某生保会社でコピー機の修理をしている時でした。紙詰まりの故障でテスターを使ってソレノイドという部品の入力を測っていた時に突然本体から煙が発生しました。ソレノイドの24Vラインのコネクタのケーブルからブシューッと炎が、あたかもダイナマイトに向かって勢いよく走る導火線のごとき状態になっているのを一瞬にして発見!「ヤバい」状況を理解する以前に私は素手で導火線をもみ消していたのでした。
不思議と熱くなかった。この時は驚きとこの忌まわしい事故をもみ消したい一心で必死だったのでしょう。不思議と全然熱くなかったんです。
それでも天井まで勢い良く立ち上る煙まではもみ消すことは出来ず、程なく顧客の担当者に発見されてしまうのでした。
駆け付けた担当者に「どうしたの?」と声をかけられ、他の社員の方も集まってきました。
こりゃヤバイ!私は、状況を把握し対策を講じる間もなく「いえ!ちょっと部品が故障のようで。。大丈夫です」と平静を装うのに必死でした。しかし、皮肉にも顔面が真っ青になり狼狽している自分はしっかりと把握できました。

ところが、「やっちゃったね」「ちゃんと直る?」「びっくりしたよ」の声

「もうだめだ。くびになってしまう」とまで覚悟した割には優しい声の数かず。

この件は不思議とこれ以上の騒ぎにはならずに結果的にお許しいただいたのでした。

ほっ!と胸をなでおろした私は手早く残りの作業を終え、今頃になってひりひりと痛みが走る左手
をかばいながら車のシフトを操作し、やっと帰路に着くのでした。

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